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不動産営業の離職率を改善する5つの方法|目標設定・評価制度・働き方の見直しで定着率を上げるコツ

林 大輔(はやし だいすけ)
不動産営業の離職率を改善する5つの方法|目標設定・評価制度・働き方の見直しで定着率を上げるコツ

不動産営業の離職率を改善するための具体策を紹介。目標設定や評価制度の見直しで定着率を向上させる方法を解説します。

あなたのチームから、また優秀な人が辞めましたか?

「せっかく育てたのに、また辞めてしまった」——不動産会社の営業マネージャーから最も多く聞かれる言葉のひとつです。

厚生労働省の調査によれば、不動産業界の離職率は全産業平均を上回る水準で推移しており、3年以内離職率が50%を超える企業も珍しくありません。採用コスト・教育コスト・機会損失を合計すると、1人の離職が生み出す損失は数百万円規模に及ぶことも。

しかし離職を「個人の問題」として片づけている限り、この負のループは止まりません。問題の根はもっと深いところ——目標設定の不公平感、評価制度の不透明さ、そして時代遅れの働き方にあります。

本記事では、ROUNDTOSSが全国の不動産・建築会社への支援を通じて蓄積したナレッジをもとに、営業マネージャーが今日から着手できる離職率改善の具体策をお伝えします。


不動産営業の離職率が高い「本当の理由」とは

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結論: 離職の主因は「給与の低さ」ではなく、「目標・評価・働き方」に対する不公平感と不透明感にある。

「不動産営業はきつい」というイメージは確かに存在します。しかし給与水準を上げるだけでは定着率は改善しません。多くの企業で離職者へのヒアリングを実施すると、上位に挙がる離職理由は以下の3つに集約されます。

理由① 目標が「降ってくる」だけで納得感がない

営業目標が会社の都合だけで決まり、「なぜこの数字なのか」が説明されない。達成できなければ詰められるが、達成できても翌月にはさらに高い目標が設定される——このサイクルが続くと、優秀な人ほど「頑張っても報われない」と感じて去っていきます。

理由② 評価制度が結果だけを見て、プロセスを見ない

売上という結果指標だけで評価される環境では、運や担当エリアの優位性が混在したまま序列が決まります。「あの人が評価されているのは運がいいだけ」という不満が蔓延し、組織の一体感が失われます。

理由③ 旧来の「体育会系・長時間労働」文化

物件案内・接客・書類作成・追客と、アナログ作業が山積する不動産営業では、残業が当たり前になりがちです。ライフステージの変化(結婚・育児など)をきっかけに「この環境では続けられない」と判断される事例は後を絶ちません。


定着率を上げる目標設定の見直し方

結論: 目標は「会社から与えるもの」から「営業担当者と共に作るもの」へ転換することで、納得感と当事者意識が生まれる。

目標設定(ゴールセッティング)は、モチベーション管理の根幹です。不動産営業における効果的な目標設定には、以下の3つの視点が不可欠です。

KGI・KPI・KDIの三層構造で設計する

指標 内容
KGI(最終目標) 売上・契約件数 月間契約3件
KPI(プロセス指標) 追客数・内見数・提案数 週20件の追客コール
KDI(行動指標) 日々の行動量 1日5件の新規アプローチ

KGIだけを管理するマネージャーが多いですが、KDI(行動指標)まで落とし込むことで、メンバーは「今日何をすべきか」が明確になります。これが目標に対する自己効力感を育てます。

「高すぎる目標」は逆効果

心理学のゴール設定理論(Locke & Latham)でも示されているように、目標は「困難だが達成可能なレベル」が最もパフォーマンスを引き出します。常に未達が続く環境は自己肯定感を破壊し、離職を加速させます。


「フェアな評価制度」が離職を止める

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結論: 評価制度の透明化と、結果×プロセス×行動の多面評価への移行が、組織への信頼感を生み定着率を高める。

不動産営業の評価は長らく「売上一本勝負」でした。しかしこのモデルは、実力と努力が正当に報われない構造的欠陥を内包しています。

プロセス評価の導入で「見えない努力」を可視化する

顧客への丁寧なフォロー、情報収集の質、チームへの知識共有——こうした行動は売上には直結しませんが、長期的な組織力を高める重要なファクターです。CRMや営業支援ツールを活用してプロセスデータを蓄積し、評価に反映させる仕組みを構築しましょう。

不動産業界における営業DXとデジタル化の実践事例では、データ活用が評価制度の透明化に直結することが報告されています。

評価基準を「全員に公開」する

「どうすれば昇給・昇格できるのか」が不明瞭な組織では、将来展望を描けないメンバーが次々と去ります。評価シートを全員に公開し、上司と部下が同じ基準を見ながら対話できる環境を整えることが先決です。

1on1ミーティングの定例化

月1回以上の1on1は、評価のズレを早期発見する有効な手段です。「評価への不満」は放置すると離職に直結しますが、定期的な対話があれば在職中に解消できることがほとんどです。


働き方改革×営業DXで「辞めたくない職場」を作る

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結論: アナログ業務の削減とAI・RPA活用による業務効率化が、不動産営業の働き方を根本から変え、離職率改善に直結する。

「働き方を変えよう」と言うのは簡単ですが、不動産業界には変化を阻む慣習が根強く残っています。だからこそ、テクノロジーの力で「変えざるを得ない環境」を作ることが突破口になります。

RPAで繰り返し業務を自動化する

物件情報の入力・ポータルサイトへの掲載・書類の転記——こうした定型業務は、RPAで自動化できます。不動産業界でのRPA活用事例では、1人当たり月15〜20時間の業務削減を達成した企業も報告されています。この時間を顧客との関係構築に充てることで、成約率と満足度が同時に向上します。

ペーパーレス化で「場所を選ばない営業」を実現する

重要事項説明書・売買契約書の電子化が不動産業界でも本格化しています。不動産業界のペーパーレス化の最新動向を参考に、書類業務の削減から着手することで、在宅勤務や直行直帰が可能な体制を整備できます。これが育児・介護との両立を望む人材の定着に大きく寄与します。

AIで「追客の質」を上げ、残業を減らす

顧客への追客タイミング・提案内容・メッセージ文をAIが支援することで、属人的な「勘と経験」に頼った営業から脱却できます。ChatGPTを不動産営業に活用する方法では、メール作成時間を70%削減した事例が紹介されています。追客の精度が上がれば残業も減り、メンバーの生活の質が向上します。


ROUNDTOSSが提唱する「三方善し」の組織づくり

結論: 営業担当者・会社・顧客の三者が同時に幸せになる仕組みを設計することが、持続可能な低離職率組織の根本原則である。

ROUNDTOSSは「フェアが次の常識になる。」 をビジョンに掲げ、不動産・建築業界の変革を支援しています。

離職率の問題を「採用コストの問題」として捉える企業は多いですが、私たちは根本が違うと考えています。離職が多い組織は、どこかに「アンフェア」が存在しているのです。

  • 評価が不透明 → 担当者にとってアンフェア
  • 営業が疲弊してサービス品質が低下 → 顧客にとってアンフェア
  • 定着しないため組織ナレッジが蓄積されない → 会社にとってアンフェア

カスタマー(顧客)・カンパニー(会社)・カントリー(日本)の三方善しを実現するには、「辞めない組織」こそが最短ルートです。

また、顧客クレーム対応と組織品質の関係でも示しているように、営業担当者が安心して働ける環境は、顧客満足度の向上と直結します。疲弊した営業は良い接客ができない——これは逆説的に見えますが、業界で普遍的に起きている現実です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 不動産営業の離職率の平均はどのくらいですか?

不動産業界全体の離職率は、厚生労働省の「雇用動向調査」によれば例年15〜20%前後で推移しており、全産業平均(約14%)をやや上回る水準です。中小規模の仲介会社では30%を超えるケースも多く、特に入社3年以内の若手層の離職が深刻な課題となっています。

Q2. 評価制度を変えるには、どこから手をつければよいですか?

まず現行の評価基準を文書化し、全メンバーに開示することから始めましょう。次に「結果指標だけでなくプロセス指標も評価対象に含める」旨を明文化します。小さな透明性の積み重ねが信頼につながります。大規模な制度変更は、現場の声を取り入れた段階的な実施が成功のカギです。

Q3. 目標設定で「達成可能なライン」をどう判断すればよいですか?

過去の実績データをベースに、「現状より10〜20%高い水準」を目安にするのが一般的です。ただし市場環境・担当エリア・在籍年数によって適正値は異なります。メンバー本人が目標設定プロセスに参加する「ボトムアップ+トップダウンの合意型」が最も納得感を生みやすい設定方式です。

Q4. 働き方改革を進めたいが、上層部の理解が得られません。どうすればよいですか?

「働き方改革はコスト」ではなく「離職による損失の回避策」として数値で説明することが効果的です。1人の離職コスト(採用費・教育費・機会損失)を試算し、DX投資との比較を示しましょう。RPAやペーパーレス化は小規模パイロット導入から始めて実績を作ることが説得力を高めます。

Q5. 中小の不動産会社でもAI・DXツールは導入できますか?

はい、導入可能です。近年はSaaS型のツールが増え、初期投資を抑えながら月額数万円から始められるサービスも多数あります。重要なのは全社一斉導入ではなく、「追客メール作成」「物件情報入力」など特定業務に絞って小さく始めることです。


まとめ:「辞めない組織」は、フェアな仕組みから始まる

不動産営業の離職率改善は、一朝一夕には実現しません。しかし目標設定・評価制度・働き方という3つの軸を同時に見直すことで、組織は確実に変わり始めます。

今日からできるアクションを整理すると:

  • 離職の本質的原因(不公平感・不透明感)を直視する
  • KDIまで落とし込んだ納得感のある目標設定に切り替える
  • プロセスを可視化し、多面的でフェアな評価制度を設計する
  • RPA・AI・ペーパーレス化でアナログ業務の負荷を削減する
  • 「三方善し」の視点で、組織全体の持続可能性を設計する

ROUNDTOSSは、AI技術と業界ナレッジを掛け合わせ、不動産・建築会社の「フェアな組織づくり」を最短ルートで実現するパートナーです。

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本記事はROUNDTOSS株式会社が運営するRAKULOGIQブログに掲載されています。掲載情報は執筆時点のものです。

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